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メテオラ奇岩群誕生秘話
メテオラとは、「空中に吊り上げられた」という意味で、実際、朝もやが立ち込めるなか、ふと空を見上げたときに目に入ってくるその光景は、まさに「空中に浮かんでいる」というのがぴったりで、でも、いったい、どうしてこのような奇岩群が誕生したのでしょうか。実は、今もって定かではなく、代表的な説は、水の浸食作用か風食作用によるものということで、大昔、この地帯は湖だったという前提による説です。
しかし、この前提には、しばしば疑問視する声があり、というのも、紀元前後にギリシャを旅して回り、紀行文を残している、ストラボンとリビイは、現在のメテオラ周辺の地理についても、きちんと書き記しているにもかかわらず、いずれも、この奇岩群については、まったく触れてはいませんでした。
このことは、この時代にはまだ、この奇岩群は、出現していなかったということを現しているのでしょうか。それに加え、もうひとつ、これは、神話の世界での話ですが、「あるときゼウス神が天界から投げつけた岩石がここに残ってしまった」、という説もあります。
「メテオロス」が元来、ギリシャ語で、「浮遊している、空中に浮いている」という意味の形容詞であるのに対し、現代語「メテオロ」が、「隕石、空中から落ちてきた物体」もしくは、「雷や雨などの大気現象」という意味を示す名詞で、風化や水の浸食によって残ったとする自然現象によるのか、それとも、ゼウスが怒りにまかせて投げつけたのか、いずれにしてもメテオラの奇岩が、地上から浮いてみえる感じをうまく言い当てているように感じられます。
しかし、朝もやの中に、おぼろげに突き出た、その姿を見るにつけ、どうしても、ゼウス神の作用による説を、信じたくなってしまうのは、私だけでしょうか。